会社のあゆみ

Company History

2 新商品開発による販路拡大

 トルクアクチュエータ(TA)の製造を三菱重工に、各種バルブ(弁)の製造は複数のメーカーに委託し、両者をセッティングした駆動弁を造船会社に納品する、という安定した立場を得たシー・オー・シーでしたが、単に商品を右から左に動かすだけの商社にとどまることはありませんでした。
 野口は持ち前の創造力を生かし、TAを使った様々な装置を考案していきます。土木建設機械のシールドマシーン(トンネル掘削機)や車輪旋盤などで使われる駆動装置。水深6,500mまで潜航できる潜水調査船「しんかい6500」のバラスト(おもり)離脱装置。リゾート施設「宮崎シーガイア」(現フェニックス・シーガイア・リゾート)室内プールの造波装置。種子島宇宙センターのロケット発射装置の離脱装置…。官民問わず様々なシーンでTAの採用が進みました。
 取引先も三菱重工、川崎重工、三井造船(現三井E&S造船)、ジャパンマリンユナイテッドなどの造船関連企業にとどまらず、IHI、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設などの大手ゼネコン、さらに新日本製鐵(現日本製鉄)、神戸製鋼、日本鋼管といった鉄鋼メーカーにまで広がりました。
 TAそのものの改良にも意欲的に取り組みました。耐久性向上(ロッドの表面処理)、対蝕性向上(筐体のチタン合金化)、軽量化(筐体のアルミ合金化)などの研究により、用途の多様化を実現。さらに防衛庁から、それまでの「油圧配管を介した手動遠隔操作」に代わる「電気でバルブの遠隔制御ができ、電源喪失時には手動でも開閉操作が可能なバルブ制御装置」の開発を要請され、「電動油圧式アクチュエータ」(特許品)を開発しました。
 ボタン操作でバルブが自動開閉するため、現場の省力化につながる商品で、平成5(1993)年以降、海上自衛隊の主要艦艇に搭載されるようになりました。今では油圧式TAと共に、弊社の主力製品に成長しています。
*筐体(きょうたい)…機器類の入った箱型の容器 石川島播磨重工業シールドマシーン完成披露会(1987年)

海上自衛隊の観艦式にて(1997年)

株式会社シー・オー・シーの歴史

History of C.O.C Co., Ltd.