2.高い開発力で新商品を輩出

 三菱重工にTAを、各メーカーにバルブの製造を委託し、完成品である駆動弁を、艦艇を製造する造船会社に納品する、という安定した立場を得たシー・オー・シーでしたが、単に商品を右から左に動かすだけの商社にとどまることはありませんでした。

 野口は持ち前の創造力を生かしてTAを使った様々な装置を考案。リゾート施設「宮崎シーガイア」(現フェニックス・シーガイア・リゾート)の大規模室内プールの造波装置、海洋研究開発機構の潜水調査船「しんかい6500」のバラスト離脱装置、種子島宇宙センターの〇〇装置など、官民問わず様々なシーンでTAの活用が進みました。

 平成5(1993)年には防衛庁関係部署より、電線のみで弁の遠隔制御ができ、かつ電源喪失時に手動での弁開閉操作が可能なアクチュエータの開発要請を受け、「電動油圧アクチュエータ」を独自開発しました。以後、主要艦艇に搭載され、油圧TAと共にバルブなど駆動装置の主力製品として採用され、防衛庁の信頼を揺るぎないものにしました。